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2017年7月3日更新

流水設備を製作しました

今回のお仕事は、奈良県吉野郡下市町にある、丹生川上神社下社様からのご依頼でした。同社は日本最古の水神様が鎮座する場所で、水に関連する石造物を製作してほしいというお話でした。

原案

 

 

頂いた原案です。自然肌の石材から水が湧き出て表面を流れる様にというイメージでした。

まずは雰囲気を掴む為、現地に伺わせていただきました。

 

丹生川上神社下社の現地風景

設置予定の場所

 

 

現地を採寸してイメージを膨らませながら、使用する石材を選定しました。

 

石材の選定

 

 

何万個という石材からイメージに近い物を探していきます。

 

 

 

 

選定した石材

 

 

選定に三日程度かかりましたが、イメージに近い石材を見つけることが出来ました。重量が10トン以上の物で運搬が困難な為、写真の赤線部分を現地で割りました。

 

割った後の写真

 

横に向けて割ってあります。この時点でも8トンぐらいあります。ここから工場に運搬します。

 

工場での写真

 

 

どうにか持って帰れました。ここから表面の調整作業に入ります。

 

表面の不要部分をピックで取り除きます。

 

打ち合わせ

 

 

実際の石材を見てもらい、詳細な加工の打ち合わせを行います。

 

作業開始

 

 

機械による作業が不可能な為、全て手作業で加工しました。写真はハンドグラインダーを使って切り込みを入れている所です。

 

 

 

 

細部のサンダー仕上加工

 

 

 

 

 

下地の加工が終了しました。ここからは艶を出す作業に入ります。

 

 

 

ハンドグラインダーの作業も困難な部分は手作業で艶を出します。

流水テストの写真

 

実際に水を流して仕上がりのテストをします。

 

文字彫刻の打ち合わせ

 

正面に彫刻する文字の打ち合わせをしました。

文字彫刻部の加工

 

 

文字彫刻

 

 

 

文字彫刻も石材が大きく機械で加工が出来ないため、簡易設備を使用しで彫刻しました。工程も、給水部分の加工を残すのみとなりました。

 

給水部の加工

 

給水パイプの挿入穴をあけました。加工終了後、出荷を待つのみとなりました。

 

出荷

 

 

いざ奈良県吉野の地へ

下地作業

 

設置作業

 

 

 

細部の調整

現地に設置後、再度流水テストを行い、細部加工の調整を行いました。

 

完成

写真の円形部分から水が湧き出て、川を流れ、自然に消えていくというイメージ通りの物を、無事完成することが出来ました。水が流れる部分に人形(ひとかた)を流すようになっています。足掛け一年の作業になりましたが、多くの方に出会いを頂き、製作から、施工まで携わらせていただくき、本当に有難うございました。

お披露目は例祭(毎年6月1日)です。

例祭当日

例祭当日は、正面口の鳥居も綺麗になり、多くの参拝者でにぎわい、多くの方に体験してもらえました。奈良県に行かれる方は是非、丹生川上神社下社にもご参拝ください。